アルトは駄々をこねる子供みたいに暴れた。身をよじってジタバタともがいた。
直後――アルトの体がびくんっと跳ねた。
背中が弧を描いてのけぞる。全身の細胞が凝固する。動きが止まった。
液体窒素の中に放り込まれた金魚みたいに……アルトは沈黙した……。
小次郎 ……………………えっ……?
しかしその沈黙も長くは続かなかった。
強張った体からふねふねと力が抜けてゆく。
腰が落ちた。筋肉がゆるんだ。ゴム人形みたいにふにゃふにゃになった。
アルトは大きく息を吸い込み……そして吐いた。
熱い吐息とともに、つやめいた声がこぼれた。
アルト わかったよ……。
小次郎 わかったって……なにが?
アルト 聞かなくてもわかるでしょ? 覚悟を決めたってこと。
小次郎 …………。
アルト でもひとつだけ、お願いがあるの。
小次郎 お願い……?
アルト そう、お願い。大事なお願い。聞いてくれる?


  


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