乃依 ねえ小次郎……。
キス……してもいい……?
時が止まった。
いや、依然として時のほうは流れ続けていたのだろう。
だが俺の意識は完全に、その流れに取り残されることになった。
気がつくと、俺のくちびるに濡れた感触があった。
くちびるだけではない。舌の先にもそれを感じた。
乃依は俺の唾液を絡め取るように、くちの中でなまめかしく舌を踊らせていた。
熱くうるんだ吐息が鼻先にまとわりついた。
すべやかな頬は、あどけない少女の匂いを放っていた。
乃依はくちびるとともに、小ぶりな胸も押しつけてきた。
チロチロと蠢く舌の先に、俺の理性は惑わされた。
俺は小さな背中をまさぐるように、手の平を這わせた。
なめらかな曲線……。くびれた腰……。
ほどなく、ぷっくりとふくれた尻の感触が、俺の指先に伝わって来た。
ぐしゃりとわしづかみにしたい衝動に駆られる。
ぐんっと抱き寄せて、奥深くへと突き刺したく思う。
だが――その瀬戸際のところで、俺はどうにか理性を繋ぎとめた。


  


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